イタリアでもっとも広い湖・ガルダ湖の一番北にある町リーヴァでは、3連泊して
スケッチを楽しんだ。リーヴァは、それほど大きな町ではなく、一日かけて回って
みて充分な感じがしたので、翌日は、近くの港から遊覧船に乗り、湖畔の別の町
を探検することにした。
ガルダ湖の北岸にあるガルドーネの町を目指すことにして、9時にはリーヴァを
出発した。船外デッキでは風が強すぎて寒いので、中に移動したが、その日一番
の船であったのか、殆ど乗客の姿がない。船はかなりのスピードで走るのだが、
目的地のガルドーネには、なかなか着かない。
少し心配になって、置いてあった時刻表をみると、船で2時間ほどの距離にある
ことがわかった。このまま行けば、11時近くに着く予定だ。そこで、2時間ほど過
ごしたとして、帰り道も2時間もかかるわけで、果たして夕飯の時間に間に合うか
どうか。
時刻表を良く見てみると、ガルドーネからの帰りの船は、午後3時過ぎでないと無
いことが分かり、急遽、次の停船地である、マルチェヅィーネで降りることにした。
この町からは、1時間に2便ほど船が出ているので、遅れることもないはずである。
あぶないところで、ガルドーネまで行きそうになってしまったが、こういうハプニング
は、一人旅にはつき物で、それもまた旅をする楽しみである。

偶然にも訪れることになったマルチェヅィーネの町。ところが、思いがけず、素敵
な所で、スケッチする場所がいたるところにあった。2時間のつもりが、その倍近く
も居ることになった。隅々まで歩いても30分もあれば行けるような小さな町だった
が、今回の旅でも特に思い出に残る場所の一つになった。

朝から日差しが強くて日に焼けるほどだったのを思い出す。船着場の近くにある
カフェでワインを飲みながら、船のある港の風景を眺めてスケッチした。その場で、
色もつけて7割ほど仕上げてきた。








2008.10.12. F6  
マーメイド水彩紙  
ペン  透明水彩

(ガルダ湖畔の町・イタリア)

マルチェヅィーネの港