ヴェネツィアでのスケッチ旅行2日目の夜には、ホテルに近い所を散策しながら
スケッチを楽しんだ。この季節、午後5時を過ぎると、すっかり暗くなってしまうが、
ヴェネツィア本島の主だったところでは、観光客が多いせいもあってお店が遅く
までやっていて、その明かりが路地にも広がり結構ものが分かる程度には見える。
特に建物などシルエットのようになっていて、余計なものが見えないので、スケッチ
するには良いところもある。大運河沿いの館や、路地裏、広場なども描こうと思えば
いくらでも描ける条件があるのだ。今回の旅行での収穫の一つだ。
この絵は、大運河に架かるゴンドラの渡し船乗り場から、東側の岸辺に立つ館を
描いてみたものだ。手前の船の辺りや、岸辺に続く1階の部分は、細部が殆ど見
えない。しかし、昼とは違うヴェネツィアの顔を見たような思いで、ペンを走らせた。
細い運河から洩れて来る光が印象を強くして、とても幻想的であった。
2008.10.07. F6
マーメイド水彩紙
ペン 透明水彩
大運河沿いの館