暫らくぶりに日比谷公園に行く。確か、学生のとき以来なので、40年ぶりに
なるだろうか。
噴水の池があったのは記憶にあったが、野外音楽堂や図書館を見る勇気が
出なかった。おそらく変わってしまったであろう、その姿を見たくないような気
持ちがあったからだ。
「心字池」というのは、公園の南東の一角にある。交番の裏手に、堀に使わ
れた石垣が残っていて、その下が池になっている。公園を造成するときに、
「心」の形に擬えて設計したものらしく、そう呼ばれている水辺だ。
昼時になると、近くのOLが池に面したベンチに座って握り飯をほおばる姿を
目にした。木々の茂みに覆われて、此処だけは都会のオアシスといった場所
なのかもしれない。
池面に時々鯉の跳ねる音が聞こえてくる。静かな時間が流れていた。

日比谷公園 心字池

2008.7.28.  P6  ダーマトグラフ  透明水彩